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  • 業種:金融・保険
  • 企業規模:501名〜2,000名
  • 課題:ランサムウェア対策
  • 課題:AIの活用
  • 課題:システム運用管理の負担軽減
  • 製品名:Box Shield
  • 製品名:Box AI
インシデント対応工数1/10
インシデント対応工数1/10

ストレージ容量無制限かつバージョン管理無制限で、バックアップ不要かつランサムウェア感染時の迅速な復旧が可能に

システム運用工数1/2
システム運用工数1/2

オンプレミスのファイルサーバーで課題となっていた障害対応やメンテナンスが不要となり、運用工数を約半分に削減

ランサムウェア対策を強化
ランサムウェア対策を強化

マルウェア実行環境を持たないアーキテクチャやファイルアップロード時の暗号化・スキャンにより、マルウェア感染リスクを低減。Box Shieldの脅威検出で深層学習を用いたマルウェア検出や不審な挙動の検出も可能に

 AI活用基盤を構築
AI活用基盤を構築

ファイルの共同編集や共有リンクによる大容量ファイルのやりとり、Box AIで、従業員の生産性が向上。さまざまなAIツールや業務システムと連携し、データを横断的に活用できる「AI活用基盤」の構築も実現

住信SBIネット銀行株式会社

2007年9月の営業開始以来、金融とテクノロジーを融合したインターネット専業銀行として成長を続け、デジタルバンク事業「d NEOBANK」やモーゲージローン事業、BaaS事業を中心に幅広い金融サービスを展開する住信SBIネット銀行株式会社。「テクノロジーと公正の精神で、豊かさが循環する社会を創っていく。」というコーポレートスローガンのもと、銀行の枠にとらわれない“テックカンパニー”として、新しい金融体験の創出と社会の発展への貢献を目指しています。

住信SBIネット銀行は、全従業員・ほぼ全ての業務が利用するオンプレミスのファイルサーバーの代替としてBoxを採用し、金融機関に不可欠なランサムウェア対策の強化をはじめ、復旧の容易さや運用負荷といった従来環境が抱えていたさまざまな課題を解消しました。さらに、コラボレーションや外部サービス連携、API活用、今後の安全性評価を踏まえてのBox AIの導入などを通じて単なるファイルサーバーの置き換えにとどまらない活用の検討を進めるとともに、Boxを「AI活用を支えるデータ基盤」の中核に位置付け、全社的な業務変革と生産性向上の加速につなげます。

 

クラウドシフトとBoxによる基盤刷新

住信SBIネット銀行は「最先端のIT(情報技術)を駆使した金融取引システムを安定的に提供することにより、お客さまとの強固な信頼関係を築き、揺るぎない事業基盤を確立する」を経営理念の一つに掲げ、従来の銀行の枠にとらわれない新たな金融サービスの創出に取り組んできました。その一環として同社は2017年という早い段階からクラウドファースト戦略を推進し、顧客体験価値の創出と、商品・サービス提供の迅速化に向けたデジタルトランスフォーメーションを進めています。

現在、商用システムのクラウド化は最終段階にあり、2028年初頭を目途に進行中の勘定系システムのAmazon Web Servicesへの移行をもって完了する見込みです。一方、社内システムもすでにMicrosoft Azureへの移行を完了しており、オンプレミス環境として残っていたファイルサーバー(以下、旧ファイルサーバー)については、代替としてBoxの採用を決定。2025年7月の導入後、要件定義・設計・テストをそれぞれ1カ月ほどかけて実施したあと、2026年1月から部署ごとに段階的な移行を開始し、2026年8月までに完了する見通しです。

Box選定の背景と旧ファイルサーバーの課題

Boxを採用した大きな理由は、旧ファイルサーバーの保守期限切れと、高度化、深刻化するランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃への対策強化でした。加えて、金融機関として常に求められる「データ持ち出しリスクへの対応」や「代理店を含めた統制強化」、「監査対応に向けたログ管理の高度化」についてもさらなる強化が可能であれば積極的に取り入れるべきと判断したことも背景にあります。

そして更改のタイミングを機に、旧ファイルサーバーが抱えていた復旧時間の長さや検索性能の低さ、バージョン管理の手間、コラボレーション機能の不足、保守運用工数の増大、障害発生時の原因調査の負荷、拡張時のリードタイム、OS依存のインターフェイス、定期的なバージョンアップ対応、情報の分散管理、複雑化した権限制御、さらにはBCP対策といった既知の課題についても解決を図ることとしました。

中でも大きな課題だったのが、復旧時間の長さでした。障害時にはクラウドからのリストアに数日を要し、BCPで定める時間内に業務を再開できないリスクがあるため、迅速な復旧、あるいは復旧作業自体を最小化できる仕組みが求められていました。また、容量拡張のたびにハードウェアの調達や追加構築が必要となるほか、定期的なバージョンアップ対応も欠かせず、障害対応のたびに関係部門のリソースが割かれるなど、保守・運用の負荷も課題でした。

そうした中でBoxを選定したのは、他のクラウドストレージと比較して「ストレージ容量無制限」と「バージョン数制限」という特長が際立っていたためです。さらに、旧ファイルサーバーでは難しかったコラボレーション強化やAI活用、セキュリティ機能の高度化が可能になる点に加え、多くの金融機関での導入実績に裏付けられた信頼性も評価しました。加えて、Boxが独立した中立性を保ったサービスであり、他システムと柔軟に連携できる点も採用の決め手になりました。

「さまざまなツールが含まれるオールインワン型のサービスもありますが、弊社としてはクラウドストレージは独立していて他のサービスと柔軟に連携できる形のほうがいいと考えました。世の中の変化は速いので、次々と新しいサービスが出てきます。そうしたときにベンダーロックインを避けながら、さまざまなサービスと組み合わせて使えることを重視しました」(常務執行役員 システム本部長 相川真一氏)

Box選定の背景と旧ファイルサーバーの課題左から、常務執行役員 システム本部長 相川真一様
システム運営部長 佐藤武様

Box導入でランサムウェア対策を大幅強化

Box導入の効果はすでにさまざまな面で表れています。中でも大きいのが、ランサムウェア対策の強化です。旧ファイルサーバーではランサムウェアに感染した場合、複数世代にわたって感染データがバックアップに保存される可能性がありました。そのため、バックアップの世代数を増やすだけでは十分な対策とはならず、限界がありました。一方Boxでは、容量やバージョン数を意識せず履歴を保持できるため、長期間にわたり過去状態へ遡ることが可能です。万が一ランサムウェアに感染した場合もBoxに必ず感染前のファイルが残っているため、安全な状態へ迅速に復旧できる点が大きなメリットです。

また、インシデント発生時の対応手順が明確になったことも大きな効果です。旧ファイルサーバーでは、問題発覚後に対象範囲の特定から始まり、権限変更や復旧対象ファイルの選定など複数の手順書に沿った対応が必要でした。一方Boxでは、コンテンツリカバリ機能で特定ユーザーや期間を指定して一括で修正できるため、対応工数を10分の1以下にまで削減できます。

さらに、Boxではファイルアップロード時の暗号化やマルウェアスキャンに加え、Box Shieldを利用することで、深層学習を用いたマルウェア検出や不審な挙動の検出、ならびに検出時の自動制御も行えるなど、セキュリティ運用の多くをサービス側に委ねられる点も評価しています。

「これまでランサム対策の説明は難しい部分もありましたが、今は“バージョン無制限の環境でデータを管理している”とシンプルに伝えられるようになりました。WindowsのファイルサーバーではOS上でマルウェアが動作してしまう可能性がありますが、Boxは実行環境を持たないためそのリスクがありません。そのため、経営層に説明する際も理解されやすくなっています」(システム運営部長 佐藤武氏)

また、管理・運用面の効果としては、クラウドへのバックアップが不要になった点も挙げられます。旧ファイルサーバーではMicrosoft Azureにバックアップをしていましたが、Boxではサービス側で複数のデータセンターに冗長化されているため、自社でバックアップを運用する必要がなく、より高い可用性と保全性を確保しています。さらに、ビジネスの成長に伴い増加するデータについても、容量を意識せずに保存できることで生産性とコストの両面でメリットが生まれているほか、旧ファイルサーバーを廃止したことで障害対応やメンテナンスが不要となり、運用工数が約半分に削減されたことも大きな効果です。

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ファイルサーバー代替を超えるBox活用

Boxの導入は、管理者だけでなく従業員側にもさまざまなメリットをもたらしています。移行が完了した部署では、旧ファイルサーバーの代替として利用するだけでなく、Boxならではの機能も積極的に活用。具体的には、ファイルの共同編集により、1つの資料に対して複数人でコメントを付けたり、レビューを行ったりと、効率的なコラボレーションが可能になりました。また、親会社とのファイル共有にも活用しており、メールでは難しかった大容量ファイルのやりとりも、共有リンクを活用することでスムーズに行えるようになりました。今後は、社外からのモバイルデバイス利用や外部サービスと連携、セキュリティを担保した運用を確立したうえで外部ファイル共有にも活用していく方針です。

なお、Boxは、Windowsのエクスプローラーのように使えるBox Driveは使用せず、ブラウザーでのみ利用しています。理由は2つ。同社のPC管理方針として「ローカルPCにデータを残さない」ことを徹底しているため。そして、ローカルで感染したファイルがBox Driveを経由してBoxに保存されたファイルと同期してしまうことを防ぐためです。旧ファイルサーバーと比べて利用方法は変わるものの、従業員向けの説明会やトレーニングを実施することで理解と浸透を図ることに加え、それ以上のメリットがあることを社内に周知しています。

また、利用者側の効果としてもう1つ挙げられるのが、Box AIの活用です。移行が完了した部署から順次Box AIを開放し、日常業務での資料要約や情報抽出、文章生成などに活用しています。

「Box AIは追加コストがかからず、Box利用者であれば誰でも使える点が大きなメリットです。Box NotesやBox Hubsも利用可能な状態としており、すでに感度の高い従業員の間では活用が始まっています。今後は全社的に浸透させるため、啓蒙活動を進めていく予定です」(佐藤氏)

AI活用を支えるデータ基盤としてのBox

同社は2025年10月に、事業の飛躍的な成長と生産性向上を目指して「10X(テンエックス)事業部」を新設しました。社内では「生産性10倍」がキーワードとして共有されており、今回のBox導入を主導したシステム運営部では自部門の“10X”に加え、その実現に向けた全社的な仕組みづくりに取り組んでいます。その中で、業務プロセスそのものの変革を担う重要な鍵として位置づけているのがAI活用です。

Box AIやChatGPT、Microsoft 365 CopilotなどのAIツールを導入し、利用用途を見極めている段階ですが、AIツール以上に重視したのが、どのAIからでも社内情報にアクセスできる基盤の整備であり、その中核に位置づけたのが、さまざまなAIや業務システムと柔軟に連携できるBoxです。今回のBox導入は単なるファイルサーバーの刷新にとどまらず、業務全体の生産性を大きく底上げするためのAI活用基盤の整備という点でも大きな価値があったのです。

「将来的には、可能な業務はすべてAIに置き換わり、自動化されていく流れになると考えています。一方で、人がAIを活用し、データを扱うという観点ではBoxがその中核になります。ほとんどの社内情報をBoxへ集約していきますし、他のシステムに分散しているデータについてもBox APIなどを活用しながら連携・統合を進めていきます。そしてデータを利用する“頭脳”の部分、つまり各種AIを全部つないでいくことでデータを横断的に活用できる環境を実現していきます。さらに今後は、Boxをコンテンツハブとして活用する構想も進めています。たとえば、顧客からの各種書類の受け渡しについても、メールではなくBoxを介することで、セキュリティリスクや容量制限といった課題を解消したいと思っています」(佐藤氏)

「旧ファイルサーバーと異なり、BoxはAPI連携が容易なためAI活用の幅がさらに広がります。すでに社内ではAIエージェントの構築を進めていますが、AI活用を支えるデータ基盤の中心にBoxを据えることで、今後はより一層、AI活用の領域が拡大していくと考えています」(相川氏)