2026年9月3日、4日の2日間にわたり、Box パートナー企業を対象としたBoxを活用したAIアプリケーション開発ハッカソン「Box Partner AI Hackathon 2026」を開催いたしました。
AI時代の到来により、実装力に加え、課題を捉え、価値あるアイデアへつなげる力がより重要になる中、本イベントは実際の顧客提案に直結する実業務の課題解決プロトタイプの作成を目指すハッカソンです。「SaaSの再販モデル」から、パートナー様独自の技術力で顧客の実課題を解決する「AIを活用した新たなSIビジネスへの展開」を後押しし、高付加価値なビジネス機会の創出と技術力の可視化を目指すことが目的です。
熱気溢れるイベントの模様と、受賞各社のAIソリューションをご紹介いたします。

Box Partner AI Hackathonとは
Boxを活用したAIアプリケーションの創出を通じて、技術力・提案力を向上させる2日間。実際の顧客提案に使えるプロトタイプの作成を目指しました。
Day1: オンライン説明会(9月3日)
初日はオンラインにて開催し、ハッカソンの趣旨説明とともに、シナリオの発表、当日利用する開発環境の案内を行いました。
株式会社Box Japan コマーシャル/パートナーSE部 部長 角井 裕弥の開催趣旨の説明に続いて、パートナーソリューションエンジニア 内野 賢二より、ハッカソンのテーマが発表されました。
株式会社Box Japan パートナーソリューションエンジニア 内野 賢二
提示された共通シナリオ(想定企業と課題設定)
参加者は、製造業を展開する架空の企業「わんわん株式会社」を担当する営業チームの一員という立場で、同社の3か年経営計画の実現に向けたAIソリューションを提案します。
提案要件
- わんわん株式会社の3か年経営計画の実現に貢献する内容であること
- 対象部門は自由とし、毎月発生する繰り返し業務の工数を50%削減すること
- Box標準機能やBox AIに加え、「他社製品連携」または「自社開発アプリケーション連携」のいずれかを必ず組み込むこと
- 実際のデモンストレーションを取り入れ、視覚的に表現すること
Day2: オフラインイベント(9月4日 Box Japanオフィス)
2日目はBox Japanオフィスに集合し、2日間の取り組みの集大成となる発表会を開催し、各チームによる発表の後、表彰式を行いました。
開会の挨拶
株式会社Box Japan パートナー営業本部 パートナー営業統括部 執行役員 統括部長 緒方 康人より開会の挨拶を行いました。
株式会社Box Japan パートナー営業本部 パートナー営業統括部 執行役員 統括部長 緒方康人
「本日は、パートナー企業様のみを対象としたハッカソンで、今回が初めての試みとなります。8社のパートナーの皆さまにご参加いただき、ありがとうございます。8月のシナリオ発表から準備を重ねてこられた各チームの熱意を拝見し、普段はビジネスの現場で競合関係にある皆さま同士ではございますが、本日はその垣根を越えて、ぜひ楽しみながら優勝を目指してください」と、参加者に呼びかけました。
チーム発表
前半・後半の2部制で、参加8社によるチーム発表が行われました。各チームは、Boxを活用した実業務の課題解決プロトタイプについて、開発の背景や工夫したポイント、デモンストレーションを交えて発表いただきました。
表彰式
各チームによる熱のこもった発表と、それぞれの成果を称える審査を経て、優れた成果を収めた3部門の受賞チームを決定しました。本イベントにご参加・ご協力いただいたパートナーの皆さまに、心より感謝申し上げます。

見事受賞された3社のAIソリューションをご紹介いたします。
パートナーエクセレント賞
ハッカソン全体を通じて、特に優れた成果を残したチームに贈られる賞です。アイデアの独創性、技術力、顧客課題へのアプローチ、提案の完成度など、さまざまな観点から総合的に評価し、総合的に優れた成果を上げたチームを表彰いたしました。
三井情報株式会社様
『プロンプトゼロ 〜話せば仕事が終わっている〜』

【対象課題・背景】
営業部門における提案書作成業務では、「探す・読む・要否判断・作成」という4つの工程が繰り返し発生し、1件あたり約7.5時間の工数を要していました。提案先となるわんわん株式会社はこの状況を踏まえ、本質的に人が担うべき「商談」と「最終承認」以外の定型・付帯業務を自動化することを目指しました。
【ソリューション概要・Box活用ポイント】
- 商談の音声・動画または文字起こしテキストと、Salesforceの商談データを取り込み、AIが自動要約および必要資料の選定を実施
- 事前登録したルール表と取り込み情報をもとに、Box Doc Genで提案資料を一括生成し、メタデータを自動付与
- Box Automateによる承認ワークフローと連動し、承認完了時にはSalesforce側のステータス更新や関係者への共有リンク発行までを自動で完結
【効果・成果】
提案書作成にかかる工数を1件あたり7.5時間から2時間へと、5.5時間削減(全社工数の約7.3%削減見込み)。営業担当者が商談と意思決定に専念できる環境を実現しました。
AIイノベーション賞
独創的なアイデアとAIの可能性を活かし、新たな価値を生み出す革新的なアプリケーションを実現したチームに贈られる賞です。従来にはないAIの活用方法や、ユニークな発想で課題解決に挑戦した点を評価し、特に優れた取り組みを表彰いたしました。
NECネッツエスアイ株式会社様
『トークレトリバー(Talk Retriever)~声がめぐる。組織が進化する。~』

【対象課題・背景】
わんわん株式会社では、技術指導、営業商談、社内問い合わせなどさまざまな場面で知識や経験、気づき、改善のヒントを含む声が日々生まれています。しかし、その多くは記録・蓄積されず、その場限りの情報となり組織の知として十分に活用されていません。そこで、組織の声を収集・分析し組織全体へ還元・循環させる仕組みを構築します。その全社変革の第一歩として、まずは人事部門の問い合わせ業務から取り組みを開始します。
【ソリューション概要・Box活用ポイント】
- 従業員からの音声による問い合わせをZoom Virtual Agent(AI)が一次受付し、Box内に保管された規程・ナレッジ(就業規則等)を参照して自動回答
- 問い合わせ音声および対話データをBoxへ自動格納し、問い合わせカテゴリや回答成否などのメタデータを自動付与
- 蓄積されたメタデータからダッシュボードや週次レポートを自動生成し、人事担当者が問い合わせ傾向を把握したうえで、社内ナレッジ・規程の改善サイクルを推進
【効果・成果】
初年度で人事部の問い合わせ対応工数を半減。他部門への横展開を進めることで、3年目には年間最大81万時間の工数削減を見込んでいます。暗黙知の可視化と「知の循環サイクル」の確立を実現しました。
ビジネスインパクト賞
顧客の課題解決につながる高い価値と、実際のビジネスへの展開が期待できるアイデアを実現したチームに贈られる賞です。事業化の可能性や、将来的なビジネスへのインパクトを評価いたしました。
日鉄ソリューションズ株式会社様
『"次の一手"まで、AIと決める 〜営業企画から始めるAI活用〜』

【対象課題・背景】
わんわん株式会社では、「AIとデータを活用し、日本で最も生産性の高い企業グループを目指す」ことをビジョンに掲げ、労働生産性30%向上を経営目標としています。その第一歩として、知識資産が豊富で改善効果を実感しやすい営業部門に着目しました。特に毎月発生する営業レビュー業務では、情報収集・案件選定、類似提案の検索・検討、資料作成・レビューに月間約100時間を要しており、単なる効率化にとどまらず、重点案件の選択と勝ち筋の提示までを実現するAI活用が求められていました。
【ソリューション概要・Box活用ポイント】
- 過去の提案書・成功事例・RFPをBox AIが読み解いて理解し(Understand)、商談データやメタデータと統合(Govern)した上で、成約確度やNext Best Actionを提示(Recommend)
- Box/Databricks/Dataikuを連携させ、Boxを入口・出口としたコンテンツの構造化とナレッジ蓄積を実現(Box-Databricks、Box-Dataikuのエコソリューション認定を登録済み)
- AIによる推薦内容を人が判断し、Box経由でレビュー・承認・共有まで一気通貫で実行、結果を成功ナレッジとして再利用
【効果・成果】
営業レビューに関わる月間工数を100時間から50時間へ、50%削減しました。
ネットワーキング
イベントの締めくくりに、ネットワーキングを開催。パートナー各社の参加者が交流を深め、今後の連携につながる活発なコミュニケーションが生まれる場となりました。

参加者からは、次のような声が寄せられました。
- 「他社と競い合う形式は、アイデアを出すうえで非常に良い刺激になりました」
- 「短期間でさまざまなことを考えるのは新鮮で、良い経験になりました」
- 「チームメンバーとともに2日間しっかりとBoxの機能を活用しながら、顧客課題を解決するアイデアを考えるプロセスを楽しむことができました。来年もぜひ参加したいです」
「Box Partner AI Hackathon 2026」は、パートナー各社の技術力を可視化するとともに、Boxを起点とした「AI駆動型SIモデル」への変革を後押しする貴重な機会となりました。Box Japan は、AI時代における新たなビジネス機会の創出を通じて、パートナーエコシステムのさらなる発展に貢献してまいります。
閉会の挨拶
「2日間にわたり、真剣にアイデアを練り、形にしていただき、誠にありがとうございました。各チームの熱意とパートナーの皆さまの強みを感じることができ、大変充実したイベントになりました」と、株式会社Box Japan 専務執行役員 パートナー事業担当 兼 マーケティング担当 安達 徹也が語り、本イベントは閉会しました。
株式会社Box Japan 専務執行役員 パートナー事業担当 兼 マーケティング担当 安達 徹也
受賞されたチームの皆さま、おめでとうございます。惜しくも受賞を逃されたチームの皆さまも、その発想力と完成度は素晴らしいものでした。本ハッカソンは、来年も継続して開催していく予定です。
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