構造化データがシステムに存在するものの、そのデータを顧客、パートナー、関係者向けに適切な形式のドキュメントに変換するには手作業が必要であるという共通のボトルネックに、さまざまな業界の組織が直面しています。チームは、システム間でデータのコピーと貼り付けを行い、さまざまな形式のドキュメントを扱い、数分で済むタスクに何時間も費やしています。
今回の例では、さまざまな記録システムから収集されたデータをシミュレーションして、保険金請求書を生成します。n8nを使用してワークフローのオーケスとレーションを行い、Box MCPサーバーを使用してBox Doc Genの機能に接続することで、異なるデータソースを手作業なしでどのように一貫性のある専門的なドキュメントに統合できるかを示します。これにより、通常は時間のかかるプロセスが、需要に応じて拡大/縮小される自動化パイプラインに変換されます。
使用したコンポーネント
- ソース: 核となるシステムの請求書を表すJSONデータ
- テンプレート: 動的コンテンツを表すプレースホルダを含むWordドキュメント
- オーケストレーション: JSONを読み取り、ドキュメント生成をトリガーするn8nワークフロー
- 出力: 個々のPDF形式の請求書 (適切な形式になっていて、配布可能な状態)
- Box Doc Gen: テンプレートの処理とPDFの生成に対応
- n8n: ワークフローとデータ変換のオーケストレーション
- Box MCPサーバー: Doc Gen操作用にAPIブリッジを提供
Doc Genテンプレート
動的コンテンツを表すプレースホルダを含むWordドキュメントを使用して作成されたテンプレートは、次のようになります。

タグのリストが記載されているDoc Genテンプレート
n8nワークフロー
このワークフローは非常にシンプルで、JSONからデータを読み取り、既存の記録システムにある複数のデータソースをシミュレーションします。

JSONファイルからデータを読み取るワークフロー
実稼働環境では、これと同じワークフローパターンで、核となるビジネスシステムに接続されたREST APIのデータ、ポリシー管理プラットフォームのデータベースクエリ、サードパーティ製統合のWebhookデータ、または例外を処理するための手動アップロードを使用できます。
この柔軟性により、単純なファイルベースの処理から始め、自動化が進むにつれて段階的にライブシステムに接続することが可能です。その間、常に同じドキュメントテンプレートと生成ロジックを使用できます。
請求書の生成

Doc Genを使用して請求書を生成するワークフローセクション
シミュレーションでは、10件の請求のデータを用意しました。Doc Genは1回のコールでこの10件すべてを処理できますが、それらを個々の請求に分けることにします。データを収集した後、個別の後処理を挿入する必要があると考えてください。
Doc Genのマージの入力は次のようになります。
{
"generated_file_name": "CLAIM-G8947892834455-John Doe",
"user_input": {
"claim_number": "G8947892834455",
"date_reported": "July 28, 2024",
"policy_number": "1234567",
"loss_type": "Vehicle Collision",
"status": "Under Investigation",
...
}
},
{
...
}
]
最終的には、適切に記入されて体裁が整った、次のような保険金請求書となります。

保険金請求書の1つを表すPDF

生成された全10ファイル
デモで紹介した以外に実現できること
このアプローチの真価は、さまざまな業務でより幅広く応用することを検討してみると明らかになります。
CRMシステムでは、取引が成立すると同時にポリシー関連の文書を自動的に生成できるため、販売から納品までの遅れがなくなります。請求処理ワークフローでは、案件の進捗に伴って調査報告書を作成し、手作業の必要なく、関係者全員に随時情報を提供できます。毎月慌ただしく対応していた規制報告は、コンプライアンスドキュメントの定期的な自動生成により、監査人が訪問した際にいつでも準備ができている状態に変化します。
顧客とのコミュニケーションは、特にこの自動化の恩恵を受けるでしょう。保険契約の変更を知らせる個別の通知書、補償範囲の調整を説明する詳細な明細書、更新された条件が記載された更新通知書はすべて、既存のシステムからのトリガーに基づいて生成できます。かつては専任スタッフによる個別の連絡の形式設定や確認が必要だったことが、自動的に行われるようになるため、顧客はタイムリーで正確な情報を確実に受け取ることができ、チームはより複雑な顧客サービスの課題に集中できるようになります。
実際に構築してみましょう
このデモでは、重要なことを示しています。データを所有することと有用なドキュメントを所有することのギャップに、複雑な独自開発やコストのかかるエンタープライズソリューションは必要ありません。Box Doc Gen、n8n、Box MCPサーバーなどのツールを使用することで、開発者チームも数か月の統合作業も必要とせず、実際に役立つドキュメントの自動化を構築できます。
保険金請求はほんの簡単な例です。どの組織にも、システムに保管されているデータがあり、自動化可能な形式設定タスクに時間を費やしている人が存在します。契約書、コンプライアンスレポート、顧客の明細書、社内ドキュメントのいずれを生成する場合でも、テンプレートの作成、データの接続、ワークフローの調整、システムによる反復作業の処理という同じ原則を適用できます。
まずは、現在チームの時間を奪っているドキュメントの種類を1つ選び、シンプルなワークフローを構築しましょう。これによって業務の進め方がどのように変わるかを観察し、そこから展開していきます。
ツールは存在し、APIも使用できます。問題は、これを構築できるかどうかではありません。組織におけるドキュメント生成の仕組みを変える準備ができているかどうかです。
このワークフローは、コミュニティのGitHubリポジトリでホストされているn8nワークフローコレクションから入手できます。
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