Googleのエージェント開発キットとBoxのインテリジェントコンテンツ管理プラットフォームを組み合わせると、すばらしいことが起こります。契約の分析、ドキュメントの処理、複雑なビジネスワークフローの調整を行える高度なAIエージェントを極めて簡単に作成できるようになります。
通常は、数か月に及ぶAPIの統合作業やカスタムツールを必要とする処理が、MCP (Model Context Protocol) と新たに強化されたBox MCPサーバーを利用すると、8行のコードで実現できるようになりました。
8行のコードによるエージェント
もしGoogleのエージェント開発キットをBoxインスタンスに接続するのに必要なのはたった8行のコードだと言ったらどうでしょうか。こちらが証拠です。
model="gemini-2.0-flash",
name="ADK_Agent_Box_MCP",
instruction="You are a helpful agent with access to the Box MCP server, and can help users access their Box instance",
tools=[
MCPToolset(
connection_params=SseConnectionParams(
url="http://localhost:8001/sse",
),
),
],
)
開発とプロトタイプ作成に関しては、ここまでシンプルになります。このコードによって実現することと、このコードを使う場面をご紹介しましょう。
Boxですぐに実現できること
Box MCP (Model Context Protocol) サーバーによって、AIエージェントはすぐにエンタープライズグレードのコンテンツ操作にアクセスできるようになります。
- ファイルを検索する
- フォルダを管理する
- ファイルを読み取る
- ファイルをアップロードする
- ファイルをダウンロードする
- Box AIを使用してファイルについて質問する
- Box Doc Genを使用して、テンプレートからドキュメントを生成する
- メタデータテンプレートとインスタンスを管理する
Googleのエージェント開発キットではオーケストレーションを処理し、会話メモリ、ツールの調整、マルチステップ推論を備えた高度なエージェントワークフローを提供します。
この魔法のようなことを実現するのはBox MCPです。Box MCPとは、AIフレームワークがカスタム統合なしに外部ツールと通信できるようにする標準化されたプロトコルのことです。何百行ものBox APIラッパーコードを記述する代わりに、すべてのBox機能をエージェントに公開する単一のMCPToolsetを入手できます。
Boxは、最近、SSE (Server-Sent Events) トランスポートのサポートによってMCPサーバーを強化し、従来のSTDIOのみのアプローチから脱却しました。これにより、エラー処理の改善、デバッグの簡素化、より柔軟な展開オプションが実現します。また、高度なメタデータ操作やドキュメント生成ワークフローのための新しいツールも追加しました。
デモ: 保険金請求の仮報告書
この統合の力を示す実際的なワークフローをご紹介します。
シナリオ: 保険査定員はフォルダに保険証券や請求書を保存しています。これらのドキュメントから、Boxメタデータテンプレートで定義された非常に特殊な形式でデータを抽出し、仮報告書を作成したいと考えています。
やり取り:
locate my insurance folder and ask Box AI to give you the context of those files
(私の保険関連のフォルダを特定し、Box AIにそれらのファイルのコンテキストを提供するよう依頼してください)

ask Box AI to extract key data from the policy document using the Acme policy metadata template
(Box AIに対して、ACME Policyメタデータテンプレートを使用して証券ドキュメントから重要なデータを抽出するよう依頼してください)

do the same for the claim using the acme claim template
(Acme Claimテンプレートを使用して請求にも同じことを行ってください)

ask Box AI to analyze the photos and give you a detailed description of the damage, including possible hidden damage to components
(Box AIに対して、写真を分析して、部品の隠れた損傷の可能性も含めて損傷の詳細な説明を提示するよう依頼してください)

with this information, create a preliminary claim report using markdown formatting, and upload it to the same folder
(この情報を基に、マークダウン形式を使用して仮請求報告書を作成し、同じフォルダにアップロードしてください)

アップロードされた報告書は次のとおりです。

バックグラウンドで行われている処理:
- Boxフォルダの検索とファイルリストの表示
- Box AIによるドキュメント分析コール
- カスタムメタデータの抽出とタグ付け
- ドキュメントの生成
- 自動でのフォルダ整理とファイル管理
結果: 数分以内に保険金請求に関する仮報告書が作成されます。これにより、保険査定員は迅速に請求の背景を把握し、どこから作業を始めるべきかを判断できます。
開発を終えてから: 本番環境への道筋
このDevRel版により迅速な構築が可能ですが、本番環境での展開には、さらに考慮が必要な点があります。
認証とセキュリティ: 本番システムには、適切なMCPクライアント-サーバー認証、ユーザーセッション管理、安全な資格情報処理、監査ログの機能が必要です。
マルチテナンシー: 複数のユーザーをサポートするには、ユーザーごとのBox認証、ワークスペースの分離、リソースアクセス制御、使用状況の監視が必要です。
規模と信頼性: 本番環境での展開には、水平スケーリング機能、エラーリカバリと再試行ロジック、接続プーリングとレート制限、包括的な監視とアラートが必要です。
代替案を検討するタイミング: 即時のマルチユーザーサポートが必要な場合、企業のセキュリティ要件が複雑な場合、保証されたSLAやサポートが必要な場合、またはMCPの機能を超えた広範なカスタマイズが必要な場合は、コンテキスト対応のMCPサーバーを自社で構築するか、Boxの公式MCPサーバーの機能を確認することをお勧めします。
真の価値提案
この統合は単なるAPIラッパー以上の大きな意味を持っています。この統合により、AIの能力と企業の現実との間のギャップを埋めることができます。
ほとんどのAIエージェントは孤立して機能しており、単純なAPIや実務に合わない簡単な例を使って動作しています。Box MCPサーバーをGoogle ADKと組み合わせれば、その状況は一変します。すぐにエージェントは企業の実際のコンテンツを扱い、プロフェッショナルなAI分析を活用し、高度なビジネスワークフローを実装できるようになります。
この8行による設定は、シンプルさだけが目的ではありません。AIを活用したすばらしいアイデアを、実際に動作するプロトタイプとして作成するまでには、通常数か月の統合作業が必要ですが、その期間を不要にすることも目的としています。AIと企業のコンテンツを探求する開発者、関係者と一緒にコンセプトを検証するチーム、そしてAIを企業のインフラストラクチャと組み合わせたときに可能になることを理解したいすべての人にとって、これは最速で目的を達成する方法となります。
開発版の制限こそありますが、あくまで一時的なものです。ここから始めることで、コンセプトを検証して、可能性を理解し、より堅牢なソリューションのためのビジネスケースを作成できます。
AIエージェントに対して企業のコンテンツの大きな価値をもたらす準備ができている場合、設定は5分で終わります。可能性は無限大です。
この記事のサンプルコードは、GitHubリポジトリで入手可能です。
- トピックス:
- 開発者