AIを活用したワークフローは、反復タスクの自動化によって業務に変革をもたらし、効率を向上させます。これにより、組織は、膨大な量のデータを前例のない速度と規模で処理し、意思決定を促進するインサイトを抽出してパターンを明らかにできるようになります。
この記事では、Boxとn8nを使用してAIワークフローを構築します。
n8nの使用
以前、LangGraphを使用してBoxでAIワークフローを構築しました。
ところが、ワークフロー自体、そのステップ、その背後にある理論的根拠を説明しようとしている場合や、どのBoxツールを使用すべきかを示そうとしている場合は、より視覚的でインタラクティブなアプローチが必要です。
n8nは、インストールや習得が簡単なうえに非常に強力なため、多くの人が試すことを推奨していました。
もう1つの重要な側面として、Box外部でワークフローを実行すると、他のソースのデータを含めたり、他のシステムのプロセスを統合したりできるため、新たな可能性が広がる点が挙げられます。
Box Platformの操作
ここで選択したツールは、Box MCPサーバー (コミュニティ版) です。利用可能なツールでは、Box APIの複雑な部分が取り除かれ、LLMはメソッドとパラメータを簡単に理解できます。
Boxでは最近Box MCPサーバーを更新し、HTTPトランスポート (もちろんSSEも) を含めるよう拡張しました。
一部のツールを微調整し (Box AIエージェントのサポートを追加するなど)、ファイルのメタデータの操作、メタデータテンプレートの処理、新しいメタデータ抽出エンドポイント、Box Doc Genの統合など、さらにいくつかのツールが追加されています。
ワークフローの構築
保険業界におけるアジャスターとは、保険会社の責任の範囲を決定するために保険金請求を調査する専門家です。損害賠償額の査定、関係者への聞き取り、保険契約の補償範囲の分析を行い、公正な和解案を決定します。
新しい請求が発生すると、アジャスターは、さまざまな情報源から情報を収集するだけでかなりの時間を費やすことになります。状況をすばやく把握し、不足している情報を見つけて、次のステップを計画する必要があります。
最近の企業では、膨大な量の情報が多くのシステムに散らばっています。また、その情報は重複していることも多く、一貫性がない場合もあり、その多くは構造化されていません。
利用可能なデータを使用して仮報告書を作成できるとしたら、どれほど役に立ち、時間を節約できるでしょうか。
利用可能なサンプルデータ
最初に、サンプルとして架空のデータを作成しました。
- 保険証券
保険証券のサンプル
- 請求例
請求のサンプル
- いくつかの写真と顧客からの最初の報告書
写真と顧客の報告書のサンプル
ドキュメントの特定
まず、Boxに保存されている関連ドキュメントを探して特定します。

Box MCPサーバーに関連付けられたOpenAIノードを使用していることに注目してください。これによって複数のファイルが返されるため、応答を分割します。
プロンプトは次のようにシンプルです。
include file_name, file_type, parent_name, parent_id, and file_id.
if you can't figure out the file type, infer it from the extension.
Boxの「Insurance」フォルダを探して、ファイルだけを再帰的にリストアップしてください。
file_name、file_type、parent_name、parent_id、file_idを含めてください。
ファイルの種類がわからない場合は、拡張子から推測してください。
エージェント (LLM+MCPツール) はBoxにアクセスし、今回の場合は、以下の内容を返します。
{
"index": 0,
"message": {
"role": "assistant",
"content": {
"files": [
{
"file_name": "Car_Damage_1.png",
"file_type": "image/png",
"parent_name": "Insurance",
"parent_id": "329973786348",
"file_id": "1918205008142"
},
{
"file_name": "Car_Damage_2.png",
"file_type": "image/png",
"parent_name": "Insurance",
"parent_id": "329973786348",
"file_id": "1918199193171"
},
{
"file_name": "Car_Damage_3.png",
"file_type": "image/png",
"parent_name": "Insurance",
"parent_id": "329973786348",
"file_id": "1918204126849"
},
{
"file_name": "Customer initial report.boxnote",
"file_type": "Box Note",
"parent_name": "Insurance",
"parent_id": "329973786348",
"file_id": "1925612048639"
},
{
"file_name": "1234567-ACME Insurance Policy.pdf",
"file_type": "application/pdf",
"parent_name": "Insurance",
"parent_id": "329973786348",
"file_id": "1918161198980"
},
{
"file_name": "G8947892834455-ACME Insurance Claim Report.pdf",
"file_type": "application/pdf",
"parent_name": "Insurance",
"parent_id": "329973786348",
"file_id": "1918164583027"
}
],
"note": "Folders (like 'Photos') are omitted. Only files directly
within 'Insurance' are shown. Let me know if you need files within
subfolders."
},
"refusal": null,
"annotations": []
},
"logprobs": null,
"finish_reason": "stop"
}
]
これらのファイルはワークフローの異なる分岐で必要になるため、splitノードを使用して個々のファイルのリストを作成します。

顧客の報告書の分析
顧客の報告書では同じパターンが使用されます。1つのファイルにフィルタをかけて、Boxからそのコンテンツを直接読み取ります。

設定は次のようになります。

フローから取得した情報を使用してプロンプトを動的にできるところが気に入っています。
画像の分析
このステップでは、まず、先ほど見つかったファイルから画像のみをフィルタで抽出した後、この情報を1つのファイルIDリストに集約します。これは、Box AIエンドポイントで1つのプロンプトに対して複数のファイルを同時に処理できるためです。厳密に言えば、ここではn8n AIノードさえ必要なく、シンプルなBox APIコールを使用して実行できます。

設定は次のようになります。

証券データの抽出
新しいBox AI機能を少し紹介するために、extract_structured_enhancedエンドポイントを使用し、あらかじめ決められたメタデータテンプレートを使用して証券からメタデータを抽出します。
ここでも、最初に証券ファイルにフィルタをかけてから、Box AIに対してメタデータの抽出を依頼します。

このノードの設定は次のようになります。

仮報告書の作成
このセクションでは、まず、前の3つのセクション (顧客の報告書、画像、証券) の出力をマージします。その後、その情報を1つの入力に集約し、最後に、収集した情報に基づいて報告書を作成するようエージェントに依頼します。

今回は、Box AIを直接使用するのではなく、適切なOpenAIエージェントといくつかの動的なプロンプトを使用します。設定は次のようになります。

報告書のアップロード
最後のステップは、報告書のアップロードです。まず、ファイル名を生成するノードの出力と、前のステップで作成された報告書をマージします。次に、エージェントに対して、MCPツールを使用してその報告書をBoxにアップロードするよう依頼します。

ここでも、これまでのノードで取得した情報を使用した動的なプロンプトを確認できます。

最終的な報告書は次のとおりです。

実際の動作の確認
ワークフローの簡単な動画を次に示します。
まとめ
このワークフローでは、n8nのような視覚的なワークフロー作成ツールとBoxのようなインテリジェントなストレージプラットフォームを組み合わせることによる変革の可能性を示しました。従来は手作業によるドキュメント収集、分析、レポート作成に何時間もかかっていたものが、AIを活用した自動化プロセスによって数分で完了できるようになりました。
このアプローチの長所は、その効率性だけでなく、利用しやすさにもあります。n8nの視覚的なドラッグアンドドロップインターフェースにより、開発者だけでなくビジネスユーザーも複雑なAIワークフローを理解し、変更が可能です。アジャスターは、ドキュメントの検索から分析、最終的な報告書の生成までのデータの流れを正確に把握できるため、このプロセスの透明性と信頼性が実現します。
BoxのAI機能とBox MCPサーバーを組み合わせて使用することで、単にデータを移動するだけでなく、情報を理解して処理するシステムを構築しました。保険証券からの構造化メタデータの抽出から、被害写真の分析、顧客の報告書のまとめまで、このワークフローでは、保険の専門家が求める繊細な意思決定を維持しながら、経験的知識に基づいた手間のかかる部分を処理します。
今回の例でおそらく最も重要なことは、最新のAIワークフローが人間の専門知識に取って代わるのではなく、それをどのように補強できるかを示している点です。アジャスターは、整理されたデータと最初のインサイトが包括的に備わっている仮報告書から作業を開始できるため、自身の専門知識を複雑な分析、顧客との関係、戦略的な意思決定に集中させることができます。
複数のシステムに分散されるデータ量がますます増加する状況に引き続き対処が必要な組織がある中で、このようなソリューションは、AIがインテリジェントなアシスタントとして機能し、無秩序な情報を実用的なインテリジェンスに変える未来を指し示しています。Boxの堅牢なコンテンツ管理、n8nの直感的なワークフロー設計、AIの分析力の組み合わせにより、人間が複雑かつ複数の情報源から得た情報を迅速に理解する必要のあるさまざまな業界やユースケースに適応できるテンプレートを作成できます。
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