先週のDreamforceで、マーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏は、ヘッドレスがAgentExchangeエコシステムを通じてどのように拡大し、AIネイティブな開発者やアプリをSalesforceのエクスペリエンスに取り込んでいるかを紹介しました。Boxにとって、それはヘッドレスエンタープライズという私たちのビジョンが現実になった姿でした。ガバナンスの効いたコンテンツが、業務が行われるアプリケーション、ワークフロー、AIエージェントへシームレスに流れていく世界です。
Salesforceは、顧客レコード、ビジネスプロセス、AIエージェントのエクスペリエンスを統合します。Boxはその背後でセキュアなコンテンツ基盤を提供し、契約書、提案書、オンボーディング資料、財務記録、案件の証拠資料などの非構造化コンテンツを、Boxからファイルを移動することなくSalesforce上の業務につなげられるようにします。
このパートナーシップは、両社を組み合わせることで生まれる価値の中核です。Salesforceは構造化されたビジネスデータのSystem of Record(SoR)として、BoxはAIのためのファイルシステムとして機能します。Boxは、ユーザーとAIエージェントが、すでに利用しているアプリケーションを通じて、適切なコンテキストで適切な情報にアクセスできる、ガバナンスの効いたヘッドレスなコンテンツレイヤを提供します。
そして、構造化データと非構造化コンテンツがつながれば、完全なコンテキストをもとに業務を進め、より意義のある業務プロセスを自動化し、AIエージェントが安全にアクションを実行するために必要な情報を提供できます。
BoxとSalesforceは、このビジョンを現実にするために協力してきました。Box for Agentforce、Box MCPサーバー、Box AI、Box for Salesforce、Box Doc Gen、Box Signを活用することで、従来の働き方を変えることなく、Salesforce、Slack、Claude全体でコンテンツをセキュアに管理、作成、署名し、コンテンツを活用したアクションを実行できます。
ここからは、BoxとSalesforceが共同で構築してきたものと、AIエージェントが活躍する未来に向けて企業が準備するために、両社がどのように支援しているかをご紹介いたします。
AgentExchangeエコシステムにおけるBox
DreamforceでSalesforceは、パートナーエコシステム兼マーケットプレイスであるAgentExchangeをヘッドレス機能によって拡張しました。Salesforceのコンテキスト、権限、ビジネスルールを維持したまま、AIをどこで活用するかについて、より多くの選択肢を持てるようになります。Boxは、新しいAgentExchangeエコシステムで紹介されているパートナーの1社です。
ヘッドレスとは、AIのインターフェイスを選択できるということです。SalesforceはMCPとAPIを通じてデータ、ワークフロー、アクション、ガバナンスを公開するため、同じ信頼できるコンテキストをAgentforce、Slack、Claude、その他のAIエクスペリエンスで利用できます。Boxもコンテンツに対して同じことを行います。これこそが、BoxがあらゆるAIエージェントに対応するセキュアなコンテンツプラットフォームである理由です。ガバナンスの効いた企業コンテンツを、利用するどのAIエージェントにも届けながら、その過程でBoxの権限とデータ分類を適用できます。
BoxとClaudeforce
Salesforce in Claude(Claudeforce)は、SalesforceをClaudeに直接組み込み、Claudeのインテリジェンスと、信頼できるSalesforceのコンテキスト、37個の事前構築済み営業スキルを組み合わせます。さらにBox MCPサーバーを加えることで、ClaudeはSalesforceのレコードと、その背後にあるBoxのガバナンスの効いたコンテンツ(契約書、レポート、プレゼンテーション、社内規定など)を横断して推論し、質問への回答やタスクの実行が可能になります。
各要素は次のように連携します。
- Boxがコンテンツを提供: Box MCPサーバーはClaudeに企業コンテンツへのセキュアなアクセスを提供し、ID、権限、データ分類を適用しながら、検索、取得、メタデータ抽出、要約を処理します
- Salesforceがビジネスコンテキストを提供: SalesforceはMCPを通じて、取引先、商談、ケースなどのレコードに加え、Flow、Apex、カスタムアクションを、共有ルールとEinstein Trust Layerを適用した状態で公開します
- Claudeが両者をつなぐ: Claudeは両方のソースを横断して推論し、回答の出典を示し、タスクを完了するためのアクションを実行します
ファイルはBoxに、レコードはSalesforceに残ります。AIで利用できるようにするためにコンテンツを別のインデックスへ複製する必要はなく、各システムの権限がすべての回答に引き継がれます。
実際の活用例: ローン申請から意思決定までを迅速化
ローンの意思決定の質は、その根拠となる書類と、それらを照合する融資ポリシーによって決まります。BoxのAgentExchangeエコシステムのデモでは、ユーザーがすでに業務を行っているClaude上ですべてが完結します。ClaudeはBox内のローン関連ファイルを確認し、ポリシー上のリスクを指摘し、条件を検証し、承認パッケージとレターを準備します。アプリを切り替えることなく、権限と制御を常に適用した状態で、申請から意思決定までを迅速化できます。
Box in Slack: 会話が行われている場所にコンテキストを提供
AIエージェントがうまく機能しないのは、能力が不足しているからではありません。ビジネスのコンテキストを理解していないからです。AIエージェントを企業の業務で有用なものにするコンテキストは、Slackの会話、Salesforceのレコード、そして長年Boxに蓄積してきたドキュメントや契約書に分散しており、これらの情報源が互いに連携していることはほとんどありません。
Dreamforceでは、それらが連携すると何が変わるのかを紹介しました。BoxとSlackbotが連携してファイルと企業のコンテキストをSlackに取り込み、必要とする情報を、業務がすでに行われている場所に表示します。
BoxはSlack内のAgentforceとも連携します。Boxがコンテンツとコンテキストを提供し、AgentforceとSlackがアクションをオーケストレーションします。Slackで質問すると、Boxのコンテンツを横断して情報を取得し、Salesforceのデータと組み合わせ、会話から離れることなく、ビジネスの全体像に基づいた回答を返すことができます。
AgentforceとMCP: あらゆるAIエージェントにガバナンスの効いたコンテンツを提供
AIエージェントは、CRMレコードの構造化されたフィールドだけでなく、多くの場合Boxに保存されたドキュメントに存在する完全なビジネスコンテキストへアクセスできることで、より意義のある業務を自動化できます。
企業コンテンツをAgentforceのグラウンディングに活用
Box for Agentforceを使用すると、SalesforceのAIエージェントはBoxに保存されたガバナンスの効いたコンテンツを利用できます。これにより、次のようなユースケースが可能になります。
- サービスケースに関連する保証書、検査レポート、やり取りの文書を確認する
- 顧客とのミーティング前に、取引先や商談に関する資料を要約する
- フォームや関連書類から情報を抽出する
- Salesforceワークフローの一環としてフォルダを作成、整理する
- コンテンツをルーティングし、後続のビジネスプロセスを開始する
Boxは、開発者や管理者がコンテンツ操作とBox AIの機能をAgentforceのワークフローに組み込むために役立つ、事前構築済みのAIエージェントアクションを提供します。
Box for Agentforceは、AgentExchangeで利用できます。
AIのためのファイルシステムとしてのBox
次世代の企業アプリケーションは、人とAIエージェントが連携して働くことを前提に構築されます。AIエージェントには、ファイルを保存し、ガバナンスを適用し、発見し、アプリケーションやAIモデルを横断して利用できる、信頼性の高いコンテンツ基盤が必要です。
それが、AIのためのファイルシステムとしてBoxが果たす役割です。Boxは、Salesforce Agentforceを含むAPI、SDK、AIエージェントフレームワークを通じてAIエージェントがアクセスできる、セキュアでヘッドレスなコンテンツレイヤを提供します。コンテンツを利用するすべてのアプリケーションにコンテンツを移動させる必要はありません。
Boxを中心に据えることで、企業コンテンツについてガバナンスの効いたSingle Source of Truth(信頼できる唯一の情報源)を維持しながら、ビジネスに重要なAIモデル、アプリケーション、AIエージェントをつなぐことができます。ファイルはBoxに残り、権限は引き続き適用され、AIエージェントは業務のコンテキストに応じて適切な情報を利用できます。
Box MCPサーバーによるオープンな相互運用性
Box Model Context Protocol(MCP)サーバーにより、対応するAIクライアントやAIエージェントは、自然言語を使ってBoxコンテンツをより簡単に利用できます。AIエージェントは、既存の権限とガバナンスポリシーを遵守しながら、関連ファイルの検索、コンテンツの取得、Box AI機能の利用が可能です。これは、ClaudeforceアーキテクチャでClaudeとBoxコンテンツを接続するものと同じサーバーです。
すべてのアプリケーションやAIエージェントが独自にコンテンツ取得と推論のワークフローを構築、維持する必要性が減ります。その代わりにBoxが、拡大するAIエクスペリエンスのエコシステムを支えられる一貫したコンテンツレイヤを提供します。
基盤: あらゆるレコードにガバナンスの効いたコンテンツを
ネイティブなBox for Salesforce連携
Box for Salesforceのマネージドパッケージは、Boxのコンテンツと機能をSalesforce Sales Cloud、Service Cloud、Experience Cloud、Industry Cloudsに直接組み込みます。
Box for Salesforceにより、次のことが可能になります。
- コンテンツをレコードに統合: BoxをSalesforceのレコードページに直接埋め込み、取引先、リード、商談、ケース、その他のレコードに関連するファイルを表示、プレビュー、アップロード、編集、整理できます
- コンテンツ整理を自動化: Salesforceレコードの作成時に対応するBoxフォルダを作成し、一貫したフォルダ構造を適用して、関連するSalesforce属性をBoxに同期します
- ネイティブのファイルストレージを超えて拡張: 大容量ファイルやコンテンツライブラリをBoxに保存することで、Salesforceのファイルストレージへの依存を減らし、Salesforceのアップロード上限を超える可能性があるコンテンツにも対応できます
- Boxのガバナンスを適用: Boxの権限、アクセス制御、保持ポリシー、リーガルホールド、データ分類、コンプライアンス機能によってコンテンツを保護します
その結果、より連携されたエクスペリエンスが実現します。SalesforceはビジネスプロセスのSystem of Record(SoR)であり続け、Boxはそのプロセスが依存するコンテンツを管理します。
Salesforce FlowとSlackによるローコード自動化
Salesforce Flow向けの事前構築済みBoxアクションにより、管理者はカスタムApexを開発することなく、一般的なコンテンツワークフローを自動化できます。Salesforceのイベントに基づいて、顧客フォルダの作成、アクセス権の管理、ドキュメントプロセスの開始、Slackでの関係者への通知を行えます。
ドキュメント生成と電子サインの効率化
Box Doc GenとBox Sign for Salesforce
契約書は、営業、サービス、法務のワークフローの中核です。Box Doc GenとBox Sign for Salesforceを使用すると、Salesforceから離れることなく、Salesforceレコードからドキュメントを生成し、署名のために送信し、プロセス全体を追跡できます。
- レコードデータからドキュメントを生成: Box Doc Genは、SalesforceのレコードデータをBoxに保存されたテンプレートに差し込み、手作業でデータ入力することなく、契約書、NDA、作業範囲記述書(SOW)、その他のドキュメントを数秒で生成します
- ドラフトから署名へ: 生成したドキュメントをBox Signで電子サインに回し、そのステータスをリアルタイムで追跡できます
- 繰り返し発生するワークフローを標準化: 再利用可能なBox SignテンプレートをSalesforceのオブジェクトやビジネスプロセス全体で使用できます
- 署名済みドキュメントを関連付けたまま維持: 完了した契約書をBoxに保存し、組織のその他のコンテンツとともにガバナンスを適用し続けられます
- 電子サインを回数無制限で利用: Box Enterprise Plus以上のプランとSalesforceの両方を利用するお客様は、セキュアな監査証跡を維持しながら、ドキュメントごとの追加料金なしでBox Signを利用できます
ビジネスに合わせて構築された業界ソリューション
BoxとSalesforceは、企業コンテンツを最も重要となる業界固有のワークフローにつなげられるようにします。
- 公共機関・政府: ガバナンスの効いたコンテンツとFedRAMP準拠の機能により、市民サービス、デジタル証拠管理、受付ワークフロー、給付処理を支援します
- ライフサイエンス・ヘルスケア: SalesforceとBox全体で、臨床試験文書、治験責任医師向け資料、規制当局への申請資料、その他の機密コンテンツを管理します
- 金融サービス・保険: 構造化されたレコードとガバナンスの効いたドキュメントをつなぎ、ローン組成、KYCワークフロー、保険金請求処理、顧客オンボーディングを効率化します
- 小売・一般企業: 契約書、アカウントプラン、製品資料、顧客文書を、すでにSalesforceで利用しているワークフローに取り込みます
今後に向けて
AIエージェントは働き方を変革します。しかし、それが実現するのは、適切な情報に安全にアクセスし、ビジネスのコンテキストの中でアクションを実行できる場合に限られます。
BoxとSalesforceはともに、構造化データと非構造化コンテンツをつなぎ、Agentforce、Slack、Claudeにまたがる日常のワークフローにインテリジェンスを取り込み、AIエージェントが活躍する企業に向けて、よりオープンでセキュアな基盤を構築できるよう支援しています。
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このブログは Box, Inc 公式ブログ(https://blog.box.com/)2025年9月24日付投稿の翻訳です。
著者: Rutuja Rajwade, Senior Product Marketing Manager, Platform & AI at Box
原文リンク: https://blog.box.com/box-and-salesforce-powering-headless-enterprise
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