<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=139163818022217&amp;ev=PageView&amp;noscript=1"> <img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=271598307802760&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">

AIで勝つ企業、取り残される企業。企業向けAI最前線レポート

「2026年版 企業におけるAI利用の現状」レポート

 公開日:2026.07.21  Box Japan

Boxは、2026年版「企業におけるAI利用の現状」レポートを公開しました。アメリカ、イギリス、フランス、日本のIT意思決定者1,640名を対象に調査を実施した結果と主要な知見をまとめました。

調査対象となった企業の83%がAIエージェントを運用しており、80%が中程度または大幅ななROI(投資対効果)が得られたと回答しています。しかし、その成果は最先端の企業に集中しています。本レポートで提示する重要な知見は、他の多くの企業がまだ検討段階にある中で、最先端を行く企業がすでに何を実現しているのかを明らかにしています。

AIは「実験」から「実装」へ。わずか1年で劇的な変化

2025年、企業の53%が「AIはまだ初期段階または未着手」と回答していました。2026年、その数字はわずか9%にまで激減しています。逆に「高度または最先端」と自己評価する企業の割合は、8%から64%へと急増しました。

この1年間でAI成熟度は飛躍的に向上

    • 83%の企業が、AIエージェントを運用中
    • 19%の企業が、自律的かつ大規模にAIエージェントを活用
    • 80%の企業が、「少なくとも10%以上の改善」という顕著なROIを報告
    • 51%の企業が、プロジェクト承認から6ヶ月以内にビジネスインパクトを実感

AIの価値が「本物かどうか」という問いは、2026年には完全に過去のものとなりました。今問われているのは「誰がその価値を獲得しているか、そしてどのように」という問いです。

成熟度の格差。最先端の企業は「新しい仕事」を創出している

調査で最も鮮明に浮かび上がったのは、AIの成熟度による格差の大きさです。

高いROIを達成しているのは最先端の企業のみ

    • 最先端の企業の50%が、「25%を超える顕著な改善」という有意なROIを報告
    • 初期段階の企業では、同じ水準のROIを報告したのはわずか11%

この差を生んでいるのは、AIの「使い方」の違いです。初期段階の企業が効率化(コスト削減・自動化)を主目的とするのに対し、最先端の企業は「以前は不可能だった全く新しい種類の仕事」に踏み込んでいます。

最先端の企業は新しい業務への応用を追求

    • 最先端の企業の48%が、「以前は不可能だった規模で既存業務を遂行する」ことを主要目標に掲げる(初期段階の企業は23%
    • 最先端の企業のの41%が、「以前は実現不可能だった全く新しい種類の業務を遂行する」ことを目標とする(初期段階の企業は21%

具体例として挙げられているのは、「営業担当者が法務部門を待たずに契約書をレビューする」「以前は開発者のリソース不足で作られなかった社内ツールを自力で構築する」といったケースです。

また、AIエージェントの管理モデルにも成熟度の差が表れています。初期段階の企業の36%が「暫定的または実験的」な管理にとどまる一方、最先端の企業は「管理されたデジタルワークフォース」として移行し、役割・権限・パフォーマンス管理を定義した上でAIエージェントを運用しています。

3つの「C」。最先端の企業が構築した「エージェンティック企業」の基盤

最先端の企業が他社と一線を画す理由は、AIモデルの選択ではありません。コンテキスト(Context)管理(Control)柔軟性(Change)という3つの基盤を実際に構築したことにあります。

コンテキスト(Context): 企業ナレッジこそが2026年のAIのボトルネック

96%の企業が「AIエージェントは企業固有のコンテンツにアクセスする必要がある」と認識しています。しかし、実際に多くのユースケースで信頼できる社内コンテンツにAIエージェントを接続できているのは、わずか36%にとどまります。

どの企業もコンテンツにアクセスできるAIエージェントを求めている

 

AIは導入すればすぐに使える思われがちですが、そんなことはありません。事前の基盤づくりが必要です。“Garbage in, Garbage out (GIGO)”という言葉を、これまでになく痛感しています。

Deloitte Consulting, LLP AI&データ担当プリンシパル マイク・カルリーノ(Mike Carlino)氏

 

最先端の企業の63%が、自社の非構造化データ(文書・契約書・レポートなど)を「AIで活用する競争力のある資産」と位置づけています(初期段階の企業は26%)。

コンテンツへのアクセスを阻む最大の障壁は、「セキュリティ・プライバシーの懸念(38%)」や「規制またはコンプライアンスに関する不安(29%)」でした。「システム全体にわたって分断化されたデータ(25%)」「既存のシステムにAIを統合する難しさ(24%)」「権限やアクセス制御の不足(21%)」「十分に構造化または分類されていないコンテンツ(18%)」「低品質のコンテンツや古いコンテンツ(16%)」といった運用上の課題も挙がっています。また、3分の2以上がレガシーシステムやオンプレミス環境を「AIエージェント効果的な導入を妨げる中程度または重大な障壁」と回答しています。

管理(Control): ガバナンスが規模拡大を可能にする

49%の企業がすでにAI関連のデータ漏えいインシデントを経験しています。そのうち16%は「重大なインシデント」と回答しています。

最も成熟した企業で最も多くのインシデントが発生している

興味深いのは、企業の成熟度が高いほどインシデント報告数が多いという事実です。最先端の企業の60%がインシデントを報告しているのに対し、初期段階の企業は46%でした。これは、成熟した企業ほど可視性が高く、インシデントを「検出できる」からです。最先端の企業の73%が「許可された使用と無許可の使用を包括的に可視化している」と回答しているのに対し、初期段階の企業では17%にとどまります。

ガバナンスフレームワークの整備は、急速に進んでいます。2025年に「確立または高度なフレームワークを持つ」と回答した企業は24%でしたが、2026年には73%に達しました。

しかし、フレームワークの進歩が実際の環境整備が追い付いていません。

    • 許可された使用と無許可の使用を包括的に可視化している企業は、39%のみ
    • AIエージェントによる社内のデータへのアクセス方法を管理する正式な基準を設けている企業は、34%のみ
    • 27%の企業が、ガバナンスは「暫定的または開発中」と回答

76%の企業が「自社の現在のガバナンス要件が原因でエージェンティックAIの導入が遅れている」と回答する一方で、93%が「より適切なガバナンスは、長期的には成長を加速させる」ことに同意しています。これは矛盾ではありません。これには、人間のワークフローを基に作られたガバナンス
と、AIエージェント向けに設計されたガバナンスの違いが表れています。AIエージェント向けガバナンスの目的は、権限、可視性、監査性、信頼できるソースの制御をAIエージェントの動作に組み込むことにあり人間のワークフローを基に作られたガバナンスは展開を遅らせますが、エージェント向けに設計されたガバナンスは組織にスケールに必要な可視性とコントロールをもたらします。

柔軟性(Change): 特定のAIプロバイダーへのロックインを避ける

68%の企業が「単一のAIモデルまたはプロバイダーへのロックイン」を懸念しています。この懸念は企業規模・業種・地域を問わず一定しており、成熟度が上がっても懸念が消えることはありません。

成熟度に関係なくすべての企業がロックインの不安を抱えている

2025年の調査では平均2.3社のAIモデルプロバイダーが利用されていましたが、2026年には平均3.3のAIツールを使用しているという結果になりました。マルチモデル戦略は、「ベストプラクティス」から「実装済みの現実」へと移行しています。

また、80%の企業が、AIエージェントが「ヘッドレス」で、つまりヒューマンインターフェースを介さずに、システム・API・データソースに直接接続して動作できることが重要または不可欠と回答しています。最先端の企業の94%がヘッドレス運用を重要または不可欠と評価した一方で、初期段階の企業は39%でした。

AIは雇用を奪うのか?最先端の企業が示す「逆説的な答え」

AIが雇用を奪う」という予測が広まる中、調査結果は異なる現実を示しています。

AI導入の最先端にいる企業ほど、雇用が増加すると予想している

    • 58%の企業が、今後3年間で総従業員数が増加すると予測
    • 最先端の企業では79%が従業員の増加を見込み、31%は「大幅な増加」を予測
    • AIエージェントによって現在の役職が削減されると回答した企業は、わずか9%

新たに生まれている役職のトップは、IT部門のAIエージェントオペレータ(44%の企業が積極採用)、AI周辺セキュリティ・リスク・コンプライアンス専門家(37%)、業務部門内のAIエージェントオペレータ(31%)、ワークフロー自動化・プロセス再設計スペシャリスト(30%)でした。これらの役割の多くは、2年前にはほとんど存在していませんでした。

 

1970年代の米国でマーケティング関連職に就いていた人は数十万人でしたが、現在では数百万人に達しています。テクノロジーが仕事をより効率化したにもかかわらず、50年間で5倍以上に増えたのです。実はその効率化こそが、雇用増加の原動力でした。

Box CEO アーロン・レヴィ(Aaron Levie)

 

「信念」と「実行」の差が競争優位を決める

2026年のレポートが示す最も重要な発見は、最先端の企業が「AIについて他の企業が理解していないことを理解しているからではない」という点です。

    • 96%の企業が、AIエージェントには企業コンテンツへのアクセスが必要だと認識している
    • 93%の企業が、より適切なガバナンスは長期的には成長を加速させることに同意している
    • 80%の企業が、ヘッドレス運用が重要だと考えている

この「信念」はほぼ全ての企業が共有しています。差を生んでいるのは「実行」です。

最先端の企業は、コンテンツをAIエージェントに接続し、AIエージェント向けのガバナンスを構築し、柔軟性を優先しています。最先端の企業は今、他の企業がまだ検討しているものをすでに構築しています。そして、そのAIエージェントが企業を次の未来へと導きます。

「企業におけるAI利用の現状」レポートの全文は、こちらから無料でダウンロードいただけます。

関連コンテンツ


RECENT POST「AIリサーチ」の最新記事


AIリサーチ

エージェンティックAIが到来。最先端の企業がその価値の大部分を獲得

AIリサーチ

正答率 94% vs. 10%: 同じAIでも、渡すデータでここまで変わる

AIリサーチ

Box Forward Deployed Engineers: 眠っているコンテンツをAIで“価値ある資産”へ

AIリサーチ

AIの回答精度を左右する「データの渡し方」