企業の業務が、たった1つの質問で完結することはほとんどありません。AIエージェントが企業の業務を処理するには、多様な種類のコンテンツを横断して推論し、レビューに耐えられる完成した成果物を作成できる必要があります。たとえば、再計算された成績表、修正された薬物療法、必要な承認がすべてそろった投資メモなどです。Box AI Complex Work Evalは、まさにそれを測定します。各タスクでは、スプレッドシート、PDF、プレゼンテーション、画像など、実際の企業コンテンツを想定した一式をAIエージェントに渡し、完成した成果物の作成を求めます。詳細な重み付けを設定した評価基準に照らしてアウトプットを採点し、タスクを複数回実行します。
GoogleのGemini 4 ArgonをGemini 3.1 Proと比較評価した結果、大幅な進歩が見られました。Gemini 4 Argonのスコアは85%で、Gemini 3.1 Proの71%から14パーセントポイント向上しました。
業界全体で性能向上

最も大きな向上が見られたのは、技術的な専門性が高く、根拠となる情報を重視する業界です。こうした業界では、ソース資料を注意深く読み込み、最後まで一貫して処理することが回答の正確さを左右します。
公共部門(76%から94%): あるタスクでは、新しい配点方針に基づいて全生徒の最終成績を再計算するようAIエージェントに求めましたが、課題の1つの列には曖昧なラベルが付いていました。Gemini 4 Argonはデータ内の得点パターンからその列の正しいカテゴリーを特定したため、再計算されたすべての成績と成績上位者の順位が正確になりました。Gemini 3.1 Proはその列を誤ったカテゴリーに分類する傾向があり、その誤りが再計算したすべての成績に波及しました。
ライフサイエンス(61%から88%): 薬剤標的の特定タスクでは、ソースレポート内の図にしか示されていないタンパク質相互作用ネットワークから数値を取得する必要がありました。Gemini 4 Argonは図からネットワークを直接読み取りました。Gemini 3.1 Proは、異なる部分集合を説明した隣接する表からそのステップに回答したため、ネットワークの数値を誤りました。
ヘルスケア(57%から87%): 放射線画像の品質管理レビューでは、画像検査の一式すべてを、それぞれの報告書と照合して監査するようAIエージェントに求めました。Gemini 4 Argonは一式に含まれるすべての検査を確認しました。Gemini 3.1 Proは通常、その一部しかレビューせず、ある実行ではソース資料に存在しない所見を報告しました。
法務(64%から75%): 買収に関する投資メモの作成では、最終レビューに進む前に誰の承認が必要かについて、企業の内部ガイドラインに従う必要がありました。Gemini 4 Argonはガイドラインを最後まで読み、後半のセクションで製品部門とコンプライアンス部門の責任者が必須承認者に追加されていることを見つけました。Gemini 3.1 Proは最初の承認ルールで確認を止め、必要な承認者の数を少なく見積もりました。
メディア・エンターテインメント(65%から79%): 2言語による広告キャンペーンのキャスティングレビューでは、候補者全員について、組合への加入状況、両言語の流暢さ、アクセント、役柄の報酬範囲、ブランドとの適合性という5つの要件に照らして評価するようAIエージェントに求めました。Gemini 4 Argonは両方の役柄について、各候補者のすべての要件を確認し、適格性に関する完全な記録を提出しました。Gemini 3.1 Proは各候補者について最初の不適格理由が見つかった時点で止まったため、依頼された評価の大部分が実施されませんでした。
業務種類別の結果

業務種類別では、Gemini 4 Argonの最大の向上幅はデータ分析の23ポイントで、次いでソースデータに基づくレポート作成の15ポイントでした。どちらも、生のソース資料から、完成した内部整合性のある成果物に至るまで、AIモデルが複数ステップの分析を実行できるかを検証するものです。
容体が不安定な集中治療患者の治療計画を例に挙げます。両モデルとも、危険なカリウム値と、薬剤間のセロトニン毒性を引き起こす相互作用を発見しました。しかしGemini 4 Argonだけが薬剤リストに戻り、その両方を引き起こす薬剤を除外したため、最終的な投薬計画が自らの診断と一致しました。同じパターンは製品発売の評価でも見られました。Gemini 4 Argonは、既存の在庫によって初期の生産能力不足を補えると判断しました。その結果、発売時期の前倒しと損益分岐点への早期到達を推奨しました。
企業業務にとっての意味
Gemini 4 Argonは業務を最後までやり遂げます。表だけでなく図も読み、途中で止まらず確認を求められたすべての項目をレビューし、ガイドラインを最後のセクションまで確認し、自らの診断に基づいて行動します。これらは、1行ずつ確認しなければならない成果物と、そのまま引き渡せる成果物を分ける重要な習慣です。また、実行時間の最悪ケースもより抑えられており、AIエージェントが日常業務の中で繰り返し処理を実行する場合に重要です。複雑で文書を多用する分析にAIモデルを導入する企業にとって、Gemini 4 ArgonはGemini 3.1 Proから明確な進歩を遂げています。
Gemini 4 Argonは、まもなくBox AIで利用可能になる予定です。
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このブログは Box, Inc 公式ブログ(https://blog.box.com/)2025年10月13日付投稿の翻訳です。
著者: Aditi Tuli, Product Manager, Box AI
原文リンク: https://blog.box.com/gemini-4-argon-pushes-frontier-enterprise-work
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