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ノーリツ様、日本触媒様が語るマルウェア・情報漏えいリスクを経営課題と捉えた判断軸

BoxWorks Osaka 2026 イベントレポート

 公開日:2026.08.03  Box Japan

「なぜ今、Boxなのか ─ マルウェア・情報漏えいリスクを経営課題と捉えた2社の判断軸」と題したセッションでは、長年Boxをご活用いただいている株式会社ノーリツ様(以下、ノーリツ様)、株式会社日本触媒様(以下、日本触媒様)の2社をお招きし、セキュリティ課題をいかに経営課題として捉え、Boxを選定・活用してきたかについて、率直かつ実践的なお話をいただきました。

セキュリティが経営課題になった日: ファイルサーバーの限界とランサムウェアの脅威

ノーリツ様では、かつて社内に点在していたファイルサーバーを全社統合する取り組みを進めていました。しかし、営業系データの集約が完了した段階でファイルサーバーの性能不足という壁に直面。セキュリティリスクが高まる中でガバナンスを統一しようとしたまさにその時期に、ランサムウェアの脅威が急速に拡大し、「このままでは八方塞がりだ」という危機感が高まりました。

株式会社ノーリツ 経営企画本部 DX推進統括部 ITインフラ推進部 部長
三和 敏幸様

ノーリツで経営企画本部 DX推進統括部 ITインフラ推進部 部長を務める三和敏幸様は、当時の状況をこう振り返ります。「当時、グループ含めて約200台のNASが現地部門に残っていました。セキュリティのロードマップを策定し、エンドポイント、ID、メール、ファイルサーバーといった領域ごとのリスクを経営層に示しながら、段階的に対策を進めていきました。いよいよファイルサーバーをやらなければいけないというところで、Boxの選定に入りました」

クラウドを選んだ理由は明確でした。「オンプレミスは自分たちで運用しなければならず、物理ハードを減らしていく方針とも合わない。クラウドであれば日々進化する機能を享受でき、ガバナンスも統一できる」という判断のもと、Boxが選ばれました。

日本触媒様でも、ファイルサーバーの運用負荷は深刻な課題でした。

株式会社日本触媒 DX推進本部 本部長 中川 博貴様

ITインフラに携わる人数がそれほど多くないので、ファイルサーバーの運用をやっていられないというのが正直なところでした」と、日本触媒 DX推進本部 本部長の中川博貴様は率直に語ります。

さらに、化学品メーカーとしての特性から、技術情報の漏えいリスクは経営直結の問題でした。「化学品は、世界のどこでも同じようなものが作れてしまいます。情報が漏れると経済的損失はもちろん、経営陣がステークホルダーに対する説明責任を負います。これはITの問題ではなく、経営の問題です」と当時の経営者に認識してもらったことが、Boxの全社導入の大きな転換点となりました。

最初は研究部門のみでBusiness Plusプランを導入し、その後Enterpriseプランにアップグレード。Box Shieldの脅威検出機能やスマートアクセス、分類ラベル機能を活用した文書管理体制を整備し、情報漏えい対策を強化してきました。

ファイルサーバーでは「誰が、いつ、どこにアクセスしたか」が全くわからなかったと両社は口を揃えます。Boxへの移行により、アクセスログの完全な可視化が実現。退職者による情報持ち出しの抑止や、万一のインシデント発生時の追跡調査が可能になりました。

三和様は「ファイルサーバーの時は性能不足でログがきちんと取れていませんでした。クラウドのBoxであればログが取れていることが保証されているので、経営層への説明責任を果たせます」と強調します。

Box導入後のリアルな壁と今後の新たな取り組み: 現場の抵抗と英断

導入後に直面した最大の壁は、現場ユーザーの抵抗でした。

日本触媒様では、2023年に研究部門以外への全社展開を決断した際、セキュリティ上の懸念からBox Driveの利用を廃止。これに対し、「不便になる」という強い反発が現場から巻き起こりました。

「研究所に行くたびに苦情を言われました。でも、実際に廃止してみたら何も言われなくなりました。現状維持バイアスが働いていただけだったのかなと思います」と、中川様は振り返ります。社長からも「どうにかしてほしい」という声が届きましたが、中川様の答えは明快でした。「セキュリティという文脈で例外を認めては困る。経営者としてもそれは言わざるを得ない」と、セキュリティポリシーの一貫性を守り抜いた、まさに英断でした。

一方、ノーリツ様では営業部門の業務システムがWindowsエクスプローラー経由での操作を必要とするため、Box Driveを継続利用。Officeオンラインを通じたファイルの同時編集や、スマートフォンからの外出先アクセス、さらにはBox Signのグループ全体標準化など、Web版の活用も着実に広がっています。

今後の展望: Box AIとMicrosoft 365 Copilotの連携で利用価値をさらに高める

両社ともに、今後の活用領域としてBox AIと他のシステムとの連携に大きな期待を寄せています。

中川様は「Box AIは発表された時から使っています。Box HubsMicrosoft 365 Copilotとの連携で、より便利に活用し、利用価値を上げていきたい」と語ります。

三和様は、基幹システムとの連携による取引先向け情報共有基盤としての活用を紹介。注文書・納品書・請求書の保存・管理を追加コストなく同一のガバナンスとセキュリティのもとで実現しています。さらに、Box Shieldで検出したログをSIEMと連携させ、攻撃チェーン全体を可視化するセキュリティ基盤の刷新にも取り組んでいます。「どのIDが侵害され、どのファイルが影響を受けたかが見えるようになり、全社横断的なセキュリティを担保できる基盤になります」と三和様は力を込めます。

これからBox導入を検討する企業へのメッセージ

セッションの締めくくりに、両社から参加者へ力強いメッセージが贈られました。

中川様は、昨年5月に発生した自社へのサーバー不正アクセスインシデントを公開情報として共有。フォレンジック調査の結果、数年前から未知のマルウェアが潜伏していたことが判明しましたが、2020年に研究部門、2023年に全社のデータをBoxへ移行していたため、最新の研究データや重要情報はBoxに保護されており、被害を免れたことを明かしました。Boxを入れておいて良かったと感じました。まだ導入されていない企業の方々は、そういったところも頭に入れていただきたい」。実体験に基づく言葉は、会場に大きなインパクトを与えました。

三和様は、Boxを「単なるファイルサーバーの代替」として捉えるのではなく、全社のファイル基盤・情報共有基盤として活用することの重要性を訴えました。「同じガバナンスとセキュリティの下で、基幹システム連携から取引先との情報共有まで、追加コストなく実現できる。それがBoxの強みです」

セキュリティを「ITのコスト」ではなく「経営課題」として捉え直すことの重要性が、2社の実体験から力強く語られました。ファイルサーバーの限界、ランサムウェアの脅威、現場の抵抗。それぞれの壁を乗り越えてきた両社の歩みは、これからBoxの導入・活用を検討するすべての企業にとって、貴重な道標となるはずです。

守るべきデータをBoxで守り、そのデータをAIでさらに活用していく。「Content + AI」の時代における情報管理の在り方を、ノーリツ様、日本触媒様の事例は鮮やかに示してくれました。

本セッションの全編は、BoxWorks Osaka 2026のサイトでアーカイブ視聴いただけます。(8月3日~8月31日)

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