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三菱UFJ信託銀行様ご登壇 ~ 現場の暗黙知をAI時代のナレッジ資産に変える

BoxWorks Tokyo 2026 Day0 Finance Executive Session イベントレポート

 公開日:2026.06.23  Box Japan

年次フラッグシップイベント「BoxWorks Tokyo 2026」。Day0の6月4日には「Finance Executive Session」と題して、金融機関エグゼクティブ向けのセッションを開催しました。今回は、その中から三菱UFJ信託銀行株式会社様によるゲスト講演の内容をお届けします。

MUFGグループの一員として「世界が進むチカラになる。」というパーパスのもと、預金・貸出・為替といった銀行業務に加え、不動産、企業年金、株主名簿管理(証券代行)など幅広い信託業務を展開する三菱UFJ信託銀行株式会社様(以下、三菱UFJ信託銀行様)。執行役員 デジタル戦略部長の多木 嘉一様、デジタル戦略部 DX統括推進室 基盤・運用企画グループの三宅 浩亮様、髙谷 祐介様の3名にご登壇いただき、現場の暗黙知をAI時代のナレッジ資産へと変える三菱UFJ信託銀行様の取り組みをご紹介いただきました。


信託銀行ならではの「少量多品種」業務と暗黙知の散在

多木様はまず、信託銀行の業務特性として「少量多品種」を挙げました。業務ごとに深い専門性と判断が求められる中、現場に蓄積された暗黙知こそが課題解決の源泉であると説明します。

finance00086三菱UFJ信託銀行 執行役員 デジタル戦略部長 多木 嘉一様

「現場の暗黙知の多くは非構造なファイルコンテンツに宿っています。AI活用の出発点は、この暗黙知を形式知化し、編集によって意味をつけ、組織の価値創造力に転換することです」と、強調しました。

また、信託銀行には「受益者」という独自の概念があり、直接の顧客だけでなく、その先にいる家族・従業員・株主の利益を守る責任があります。「情報を適切に取り扱うことは、受益者との信頼・信用を作る行為そのものです」と、多木様は語ります。

データマネジメントの現状課題: 「部分最適の繰り返し」からの脱却

三菱UFJ信託銀行様が抱えていた主な課題は、以下の通りです。

    • ファイルサーバーの容量枯渇と高額な維持費
    • フォルダ構造・アクセス権構造の複雑化(どこに何があるかわからない状態)
    • SharePoint Onlineのデータ量が直近2年間で毎年1.7倍に増加。従量課金によるコスト増加懸念
    • AIによるコンテンツ活用方針・他システム連携方針が未確立
    • コンテンツが複数システムに分散し、最終版が不明な状態

三宅様は「部分最適の繰り返しだった」と率直に振り返り、DXを推進してきたにもかかわらずコンテンツのサイロ化・散在が解消されていない実態を明かしました。

finance00115三菱UFJ信託銀行 デジタル戦略部 DX統括推進室 基盤・運用企画グループ 課長 三宅 浩亮様

こうした課題を抱える中、2025年6月にBoxの共同創業者兼CEOであるアーロン・レヴィ(Aaron Levie)が来社し、Boxでの課題解決の可能性を感じたことが、本格導入の契機となりました。

グランドデザイン: 適材適所のハイブリッドモデル

三菱UFJ信託銀行様は、ファイルサーバーを主軸とした設計を選択肢から除外し、Box、Microsoft 365(SharePoint Online)、Snowflakeを適材適所で使い分けるグランドデザインを策定しました。

Fin Exec 1

  • Box: コンテンツの基本格納先。ストレージ容量無制限、シンプルなアクセス権管理。ファイルサーバーに眠る非構造コンテンツを「知の資産」に変換
  • Microsoft 365(SharePoint Online): コミュニケーション基盤。Microsoft 365 Copilot、Power Platformとの強固な連携
  • Snowflake: 業務ベースのデータ管理・分析

グランドデザインの設計思想について、髙谷様は次のように語りました。「データマネジメントは右から左に、つまり利用目的を起点に逆算して考えることが重要です。何をしたいかから考えると、それぞれのデータがどこにあるべきかが自然と決まります」

finance00103三菱UFJ信託銀行 デジタル戦略部 DX統括推進室 基盤・運用企画グループ 上級調査役 髙谷 祐介様

Boxを選んだ理由

三菱UFJ信託銀行様は、Boxを選定した主な理由を4点挙げられました。

    • ストレージ容量無制限: SharePoint Onlineの従量課金問題を解消
    • シンプルなアクセス権管理: 少量多品種の業務・利益相反管理・Need to Knowに対応した権限運用が可能
    • 非構造コンテンツの活用基盤: ファイルサーバーに眠っていた暗黙知を形式知化し、ナレッジ資産として活用
    • 他SaaSとの接続性: 年々増加するSaaSとの連携ハブとしてBoxを活用

Fin Exec 2

フォルダ構造の整備として、部署フォルダ・個人用フォルダ・外部共有フォルダ・アーカイブ用フォルダ・プロジェクト用フォルダを段階的にリリース予定。2026年6月から全社利用を開始し、2027年4月からファイルサーバーからBoxへのデータ移行に着手、1年半後にファイルサーバーを廃止するロードマップを描いています。データ移行については、プライベートクラウド環境からセキュアなデータ移行用環境を通じてBoxへ移行する予定です。

セキュリティ面では、Box Shieldの分類ラベル(取扱注意情報・社外共有可否確認・社外共有可)を活用した外部共有統制を実装。人事システムと連動したID自動連携により、個人用フォルダの生成・権限付与を自動化し、管理者の運用負荷を大幅に軽減する設計です。

AI活用構想: Copilot拡張とBox AIエージェント

AI活用において三菱UFJ信託銀行様は、Microsoft 365 Copilotを中心に据えたAIネイティブ基盤の構築を目指しています。

AI活用の将来像について、髙谷様はこう展望を示します。「Copilotを軸にさまざまなAIエージェントを連携させながら業務をこなしていくイメージです。その中の一つとして、Box AIエージェントを活用していきたいと考えています。将来的には、Copilot、Power PlatformとBoxの接続も目指します」

具体的には、Microsoft 365 CopilotのAIエージェントにBox AIエージェントを提供し、Copilotの画面からBoxを自然言語で検索できる環境を構築する計画です。

導入効果と今後の展望

三菱UFJ信託銀行様が目指す効果は、定量・定性の両面にわたります。

定量的効果(見込み)

    • ファイルサーバーの維持コスト削減
    • SharePoint Onlineの従量課金コスト増加の抑制
    • 情報検索時間の大幅短縮(「どこに何があるかわからない」状態の解消)

定性的効果(目指す姿)

    • 現場の暗黙知の形式知化・ナレッジ資産化
    • 「みずからやってみる」オーナーシップカルチャーの醸成
    • AI-Native企業への変革

最後に、多木様はAI時代における人の役割について次のように語りました。「企画業務において、AIが中流(情報収集・分析・選択肢提示)を担う時代、人は上流(問題認識・課題設定)と下流(合意形成・実行・定着)で価値を出す。ツールの導入だけでなく、人の改革という観点も交えてAIトランスフォーメーションを進めていきたいです」

 本セッションのより詳細な情報や導入プロセスについてご興味がございましたら、Box Japanの営業担当者またはこちらまでお気軽にお問い合わせください。 


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