2026年6月4日〜5日の2日間にわたり、年次フラグシップイベント「BoxWorks Tokyo 2026」をリアルとオンラインのハイブリッドで開催いたしました。
今年のテーマは「Content + AI — from Content to Context — 文脈理解のAIを企業変革の武器に」。AI-Readyのコンテンツ基盤としてBoxが描く未来、そして人とAIエージェントが共存する新しい働き方を、最新の事例およびテクノロジーを通じてお届けしました。ここでは、Day1に開催されたオープニングキーノートのハイライト(前編)をお届けします。
Boxが描く未来。人とAIエージェントが共存する新しい働き方
会場に多くの参加者が集まる中、オープニングキーノートの口火を切ったのはBox Japan 社長執行役員の佐藤範之。「台風も無事に過ぎ、こうして多くの皆様とこの場をご一緒できることを大変嬉しく思っています」と、参加者へ笑顔で挨拶しました。
Box Japan 社長執行役員 佐藤範之
今年のテーマは「Content + AI ー from Content to Context」。佐藤は、AI-Readyなコンテンツ基盤としてBoxが描く未来、そして、人とAIエージェントが共存する新しい働き方を最新の事例とテクノロジーで届けたいと、イベントの趣旨を熱く語りました。
AI時代の「インテリジェントコンテンツ管理」
次に登壇したのは、Boxの共同創業者兼CEO アーロン・レヴィ(Aaron Levie)。会場に集まったお客様への感謝を述べたあと、AIが働き方を根本から変えつつある現実について語り始めました。ChatGPTの登場以降、AIは特定タスクを自律実行するAIエージェントへと進化し、今や大量のAIエージェントが協調して業務を担う時代が到来しつつあります。「組織の全員が1,000倍速く動く専門家を持てるとしたら」—— そんな問いを投げかけながら、個人の生産性向上から組織全体の業務変革まで、AIがもたらす可能性を示しました。
Box 共同創業者兼CEO アーロン・レヴィ(Aaron Levie)
こうした変革を実現するためには重要な条件があると、アーロンは続けます。
「AIエージェントが企業固有の業務プロセスや組織の状況、企業独自の意思決定を理解していなければ、その価値は限定的です。AIエージェントは、その企業ならではの情報(コンテキスト)を理解する必要があります」
コンテキストは、製品仕様書、財務記録、契約書、社内マニュアルといった企業コンテンツの中に存在しています。しかもその大部分は非構造化データであり、企業データのうち構造化データはわずか10%程度。残り90%の非構造化データは、これまで検索・分析・計算することができませんでした。
「しかし今、その状況が変わろうとしています。90%の非構造化データに対して自動化を適用できるとしたらどうでしょうか。企業活動において極めて重要な業務を大幅に加速できるようになります」
ただし、その可能性を実現するうえでは大きな課題もあります。アーロンは、現在の企業における非構造化データの管理のあり方そのものに問題があると指摘します。AIエージェントによる業務変革には企業コンテンツへの安全なアクセスが不可欠ですが、それらがさまざまなシステムに分散している現状ではその実現が容易ではありません。これは以前からの課題ですが、AI時代においては企業の存続に関わる重大な問題です。AIエージェントが誤った情報を参照してしまうリスク、機密情報の漏えいリスク、システム間の連携不全 —— この3つの問題が生じるからです。

「企業には、コンテンツとAIを安全に結び付けるプラットフォームが必要です。どのAIエージェントを利用する場合でも、どのアプリケーションやシステムを利用する場合でも、企業コンテンツを安全に活用できる環境が求められます。それこそが、私たちがBoxの『インテリジェントコンテンツ管理』で実現しようとしていることです」
Boxのプラットフォームは、グローバル規模で展開するクラウドインフラを基盤に、無制限のストレージと高速かつ安定したグローバルネットワークを提供。セキュリティ、データ保護、コンプライアンスはもちろん、ファイル管理、メタデータ管理、ワークフロー自動化、コラボレーション、コンテンツ公開といった機能で大量のコンテンツを効率的に活用できます。さらにAIプラットフォームを兼ね備え、最先端のAIモデルを利用しながら自社に最適なAIエージェントを構築できます。MCPサーバー、CLI、APIを通じて他のサービスのAIエージェントや企業向けアプリケーションとも連携可能で、コンテンツ、ユーザー、AIエージェント、アプリケーションすべてを1つのプラットフォーム上で統合的に管理できます。

このようにBoxの強みを整理したアーロンは「AI変革の道のりはお客様とともに進めていきたい」と語り、3つのステップを示しました。
- ナレッジワークの効率化: AIエージェントを活用し、従業員が組織内のデータと連携しながら業務のスピードと生産性を向上させる
- 大量の情報のマイニング: 企業が保有する非構造化データを構造化データへと変換し、大規模に知見を引き出す
- エージェント型ワークフローによるプロセスの変革: 人とAIが協働すヒューマンインザループの仕組みで、業務プロセスそのものを変革する
そしてスピーチの締めくくりに、アーロンはこう力強く宣言しました。
「Boxはこれまで数多くの機能強化を進めてきました。そして今年は、会社の歴史上これまでで最も多くの新機能をお客様へ提供する予定です。組織としてのスピードをさらに加速させ、みなさまの企業により大きな価値を届けていきます」

Boxは企業の非構造化データを経営資源に変える
アーロンに続き再び壇上に上がった佐藤は、Boxの独自調査の結果から話を始めました。
まず明らかにしたのは、AIの活用が実験フェーズから実務フェーズへと大きく跳躍したという事実です。自社のAI活用の成熟度を「先進的または最先端」と回答した企業の割合は、1年前の8%から64%へと急拡大。さらにその64%のうち約9割がAIエージェントを活用しており、2割は全社規模での自律的な運用を進めています。AIはもはや試験的な取り組みを超え、AI活用の成熟度の差が、そのまま企業の競争力格差になり始めています。
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そうした状況を踏まえ、佐藤はAIエージェントをテクノロジーではなく「新たな労働力」として捉え直すことの重要性を強調しました。
「企業にとっての問いは、どのAIツールを導入するかではなく、AIエージェントという新しい労働力を、どの業務に、どの責任範囲で、どのように組織に実装していくか。これはもはやIT部門だけの課題ではなく、経営戦略・事業戦略はもちろん、人材戦略・組織戦略・ガバナンスまで、企業全体に関わる経営改革のテーマです」
そう語った佐藤は、続いてAIエージェントの真の価値を引き出せている企業がまだ少ない現状にも触れました。その理由はAIモデルの性能不足ではなく、AIエージェントが業務を遂行するために必要な、企業固有のコンテキストにアクセスできる環境が整っていないことにあると言います。
ただし、企業の情報に自由にアクセスさせるわけにもいきません。そこで重要になるのが、Boxが大事にする「3つのS」、セキュリティ(Security)、ステータス(Status)、情報の鮮度(Sendo)です。AIエージェントがその情報にアクセスする権限を持っているか、そのドキュメントはドラフトなのか承認済みなのか、そして最新の情報なのか。AIエージェントが正しく業務を遂行するためには、この3つの観点でコンテンツを管理することが不可欠だと述べました。
「AIが正しく動くためには、単に情報を読ませるだけではいけません。誰が、どの情報に、どの状態で、いつの情報としてアクセスしていくのか、このコンテキストまで含めて管理されていくことが重要です」
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続いて佐藤は、非構造化データ(コンテンツ)の重要性について言及。そこには企業が長年蓄積してきた判断軸や知識、リスクの考え方、顧客理解といった膨大な知見が詰まっており、AIエージェントが本当に業務を支援するためには、これらのデータを安全に理解し、適切な権限のもとで活用できる環境が必要だと語ります。
そしてそのためには、非構造化データをサイロ化させず、1つの信頼できる基盤に集約することの大事さを強調。Boxは非構造化データを一元管理し、AIエージェントと人が安全に活用できるコンテンツ管理プラットフォームであり、外部のAIエージェントや他システムとの連携、容量無制限のストレージ、堅牢なセキュリティ、監査・ガバナンス機能、さらに人とAIエージェントが協働するワークフロー自動化まで、AI時代に必要な機能のすべてをフルスタックで備えていると語ります。
佐藤は「Boxは企業の非構造化データをAI時代の経営資産へと変えていく」と力を込めて語り、スピーチを締めくくりました。
キーノートの全編は、BoxWorks Tokyo 2026のサイトでアーカイブ視聴いただけます。(一部除く、6月24日~7月31日)
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